結局応援したくなる。

本棚を整理しました。

すると、読んだ記憶はあるのだけれど内容はさっぱり覚えていない本がゴロゴロ・・・。

1冊ずつ読み返してみることにしました。

 

まずはこちら。

 

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「虹」 吉本ばなな

 

そもそも吉本ばななさんの本はそれほど好きではないのですが(食わず嫌いかもしれないけれど)、この本は確かジャケ買いした記憶あり。

 

タヒチが舞台のこの小説、装丁がとても好きです。

 

内容は、まっすぐで不器用だけど内に熱いものを秘めている、動植物を愛する女性が主人公。あぁ吉本ばななっぽい。

その女性が、これまた不器用だけど仕事熱心で少年のような年上の既婚男性に惹かれて恋に落ちるわけです。

 

母の死をきっかけに心のバランスを崩し仕事を失った女性。つなぎの仕事として与えられた家政婦の仕事で動植物を通じて元気を取り戻すのだけれど、家の持ち主である既婚男性に恋をしてしまう。そして迷う彼女はタヒチで自分を見つめ直すのです。あぁ吉本ばななっぽい(二回目)。

 

私は、こういうピュアで不器用な人にはイライラするし、どちらかといえばずる賢く野心家で平然と浮気をする男性の妻の方に親しみを覚えてしまう。この小説ではピュアな主人公と男性とは対極な「悪」とされているけど、そんなに憎めない。

 

最後まで主人公も相手の男性も好きになれなかったけど、タヒチの描か方がとても丁寧できれいだった。空気感とか、行ったことのない私でも「さぞ美しい場所なんだろうな。。」と思いを馳せてしまう。そしてまた、表紙もさることながら挿絵もとても美しかった。

その自然の美しさに触発されたのかしら、意地悪な私も最後は二人の恋を応援したいような気持ちで本を閉じた。これぞばななマジックなのでしょうか。

んーやはり食わず嫌い、直してみるか。